祖父は私に戦争の話をよくしてくれました。
大空襲があった時、祖父の母は片手に米俵・片手に幼かった祖父の弟を担いで逃げたという話。
友人が乗った船が帰ってこなかった話。
戦地では夜になるといつも誰かが泣く声が聞こえていたという話。
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あの時、祖父の母が必死で逃げてくれなかったら。
もし祖父が赤紙をもらっていたら。
終戦日が少しでも伸びていたら。
今の私も、そぴもいませんでした。
そう思うと、今生きている私達はあの戦争を乗り越えてきてくれた人から大切に引き継がれた命です。
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そして、今。
祖父から聞いた話が、遠くの国で現実となって行っています。
きっと、戦地では毎晩誰かが「帰りたい」と泣いているはずです。
そして、残された家族も「帰ってきてほしい」と泣いているはずです。
早く平和な世界がくることを心から願います。